フィールドワーク
高1FW 水俣方面:人間の尊厳と真の豊かさを探究する旅
高校1年生フィールドワーク水俣は「人間の尊厳を探究する旅」「豊かさを探究する旅」として現地に向かいました。1日目は長年お世話になっている茂道集落の杉本家の肇さん、実さんにお世話になり、漁船に乗せてもらいました。天候よく、穏やかな不知火海は、わたしたちを包み込むようでした。この美しい風景は、かつては有機水銀を含んだ排水が垂れ流され、死の海ともされていました。夜は、肇さんご自身が体験されてきた水俣病の経験を語り、現地でないと分からない実情に触れました。二日目は、生徒たちは自らの関心でテーマを選び、グループに分かれて学びを深めました。胎児性患者の方がいらっしゃる「きぼう・未来・水俣」、学校でも使用している水俣せっけんを作っている「エコネット水俣」を訪問するグループ、胎児性患者の坂本しのぶさん、元チッソ労働者で元水俣市議でもある緒方誠也さんに話を伺うグループ、患者支援を行ってきた水俣病センター相思社を訪問し、長年家族の水俣病を語れなかった経験をもつ吉永理巳子さんに出会うグループに分かれました。夜は、失われた命のバトンをつなぐ取り組みをされている医師・板井八重子先生の話を聞きました。医療系に関心を持つ生徒も多く、熱心に聞いていました。3日目は、水俣市の7割を占める山間部に入り、愛林館、天野茶園、浮浪雲工房で、農山村体験、有機農業や工芸などをしました。最終日は、水俣病資料館を訪ね、どのように記憶を継承したらよいか考え、熊本城にも立ち寄り震災と復興についても学びました。「モノクロだった水俣が、カラーになった」という声を多くの生徒から聞く旅になりました。