What’s New新着情報

フィールドワーク

高1FW  水俣・岩手宮城方面:アイリーン・美緒子・スミスさんとの対話 「相乗効果」をどう起こすか?—『MINAMATA』から52年目の水俣、そして環境問題へ—

 高校1年フィールドワークの最後の授業として水俣・岩手宮城方面では、写真家・環境活動家のアイリーン・美緒子・スミスさんとの オンライン“対話”を行いました。アイリーンさんは、1971年に水俣にユージーン・スミスさんと移住し、闘争の時代の水俣を撮影しました。その作品は、共同制作写真集『MINAMATA』(1975年)として出版され、世界に衝撃を与えます。この間のできごとをモチーフに、映画『MINAMATA』(2021年)が上映され、近年改めて注目が集まっています。
 現在、アイリーンさんはグリーン・アクションの代表として、環境問題、特に原発問題に積極的な発言を行うなど、活動をしています。その原点は、水俣にありました。講演の中では「行動することはおもしろい」「色々な人の視点や、色々なできごとをつないで「相乗効果」を起こしたい」とメッセージを送ってくれました。これを受けて、フィールドワークで水俣と岩手宮城を訪問した生徒たちは、「私たちには伝えること以外に何ができるのか」などさまざまな質問や感想を伝え、1時間を超える“対話”が生まれました。

〈生徒の感想〉

 一番印象深かったのは、ジャーナリズムのことについてです。ジャーナリズムと聞くと、世界に起きていることをただ報道するだけだと思っていたのですが、「被写体と、その写真を見る人の2つの責任を持つ」ということがジャーナリズムだというユージーンさんの主張を聞いて、素晴らしいことだと思いました。被写体の気持ちを考えず、大量の報道陣がカメラのシャッターを切り、話をなんとか聞こうとマイクを近づけるという映像をよく見ますが、それとは全く違う報道の仕方があるんだなと思いました。(FW水俣)

 

 今回アイリーンさんの講演会を聴いて、原発事故が起きてから、もう既に次の事故へ向かっているという言葉が一番印象的でした。東北のリアスアーク美術館で聴いたお話でも「次の地震は既に近づき始めている」という言葉を聴いていて、起こった問題や事実をただの過去のものとして受け取らずに、アイリーンさんの言う通り、受け取って相乗効果を発揮できるような活かし方をしていくべきだな、と思いました。……今日アイリーンさんの講演会に集まっていた私達はそれぞれ違う考えを持ってフィールドワークに向かった人で、その中から質問や意見を集めることで今まで持っていた自分の考えや視点を持ち変えることやプラスすることができるので、その考え方はすごく納得できるな、と思いました。(FW岩手宮城)