学園日誌
2023年度 2学期終業式
12月22日、2学期最後となるこの日は終業式が行われ、教頭先生からお話がありました。
教頭先生は進行中のパレスチナでの戦闘について触れられた後、7月に出版されて話題となった『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』を紹介されました。定期的に繰り返される「公平さ」を装った言説に危機感を持たれた専門家が出版されたというこの本では、ナチスの時代と政策の緻密な検証を行い、その結果、「やはり「良いこともした」とは言えない」という結論に達します。その理由として、著者たちは「歴史的事実は「純粋なまま」で私たちのところにはやってこない」からだと語ります。「事実」から一足飛びに「意見」を導き出すのではなく、人類が過去から積み重ねてきた研究や専門知識を多角的に学ぶこと、すなわち「解釈」することが大事であるとしています。そして教頭先生は私たちのこの2学期のたくさんの学びや気づきの一つ一つが、この「解釈」ができる力をより豊かにするものであるのだとあらためて位置付けてくださいました。
最後に高校3年生には2冊の本を紹介され、「みなさん一人ひとりが「社会全体を照らす」存在になれるはずです。是非自分の力を信じて、力強く歩みだしていってください。」とエールを送られました。