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フィールドワーク

高1FW  水俣方面:環境省・黒田一樹さん講演会

 国内フィールドワーク水俣方面では、2月15日に環境省環境保健部水銀対策推進室の黒田一樹さんに講演をしていただきました。前日にパリから帰国し、忙しい中で来てくださった黒田さん。年に13~14回海外出張に行き、国際会議の中で日本代表として報告したり、議長として世界の視点でとりまとめたり… と世界の中で活躍されていることが伝わるお話でした。「仕事が好きで、楽しくてしょうがない」と生き生きと語る姿は、とても素敵でした。
 講演では「水銀条約について」「世界での水銀問題」「途上国支援の問題」等、ご自身の体験も含めて、現実や課題・文化の違いを分かりやすく話してくださいました。水俣から世界に視野を広げる大事な機会となりました。

 グループワークでは「世界の水銀問題を知って、自分にできることを考えてみよう」というテーマで5~6人のグループに分かれて話し合い、報告しました。答えのない問いに色々な発想で考えていて、その柔軟さに驚かされます。最後に黒田さんからそれぞれのグループの提案に丁寧に答えて頂きました。時間が足りないくらいの質問が出て、休み時間にも個別に話をする生徒たちもいて、あっという間に時間が過ぎる有意義な講演会になりました。

 生徒の感想を紹介します。

 今回 水銀に関するお話を中心に環境問題や環境省の取り組みについてのお話をしていただいて、自分自身に知らなかったことがたくさんあり、学びが多く 有意義な時間を過ごせていただきました。環境問題という大きな捉え方だけではなく 、答がない環境問題に自分に何ができるかと考えて、自分ごととして考えることが全てにおいて大事だということを学びました 。それには目の前のことを頑張る姿勢や 、知識だけでなく人との関わりで学ぶ経験の大切さを感じました。

 グループワークで、世界の水銀問題の一例に対して「こうすれば解決できるんじゃないか」と予想を立てたことで、具体的に解決する糸口が見つかりました。他のグループでも「宇宙に水銀を飛ばす」という思いもしなかった案の実現可能性も聞けて色々な意見があって面白かったです。ゴミの分別など水俣が世界に発信できることは意外に多くあると思ったので、世界に発信を続け、水銀問題を抱えている現地が変わっていくことが重要だと思いました。また、現地の人たちに合わせた発信の仕方が大切だと思いました。

 質問に対して、黒田さんが「水俣市の当事者の方々に怒られて、そこから水俣市に通って交流を深めるうちに、ただ「水俣条約を結ぶ」「水俣病の現状の問題を解決する」という目的だけではなく、この人たちのために自分は頑張らないといけないんだっていう実感が沸いた」と話してくださったことが印象に残ってます。黒田さんのように国際的な活動をしている方々でも水俣病に興味があるから関わっているというわけではないし、元から誰でも水俣病を知っているわけではないんだということに気づいたし、当事者のためにも活動していこうという黒田さんの思いを素敵だなと思いました。