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学園日誌

2024年度3学期始業式

 1月8日、冬休みが明けて学校に再びにぎやかな声が戻ってきました。始業式では校長先生からお話がありました。先生は昨年亡くなられたノンフィクションライター佐々涼子さんの著作を紹介されながら私たちが大切にすべきことを三つお話されました。
 はじめに取り上げられたのは「国際霊柩送還士」に取材した『エンジェルフライト』、そして東日本大震災で被災した石巻の製紙工場の被災と復活を取材した『紙つなげ!』でした。全く異なる職業の方々の実話ですが、そこに描かれているのは自分が関わる分野で誰かのためにできるかぎりのことに取り組もうとする人々の姿です。そして私たちの日常がそうした方々の目に見えない思いや努力で成り立っているように「クラスや部活動や委員会などでも、あなたが誰かのために何かにできるかぎり取り組む心遣い優しさが誰かを助けているかもしれません。そして将来、社会に出たときには、目の前の人はもちろん、必ずしも目に見えなくても、その先にいる人のことを考えて行動できる、そういう人になってほしい」とお話されました。
 また佐々さんは震災による紙不足に直面して初めて本が印刷される紙がどこで作られているかを知ったことを「恥ずべきこと」と感じ、真摯な思いで現地に赴き取材を重ねたことで『紙つなげ!』が深く豊かな作品となっている、「佐々さんから学ぶ二つ目のこととして、自分が今、疑問に思うこと、心にひっかかることに目を向け、そして、それを大切に育てたり、調べたりすることがみなさんを大きく成長させます」とお話されました。
 最後に校長先生は佐々さんの遺作『夜明けを待つ』からホスピスの方の言葉と佐々さんご自身が余命を重ねて記された文章を紹介されながら「2025年の3学期、これから始まる2ヶ月半は、誰にとっても1度かぎりのものです。今、この瞬間を大切にしましょう。そして1日1日を全力で、充実したものにしていきましょう。」とお話を結ばれました。

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