research & development探究
高校2年 探究
中学1年から高校1年まで学んできた『Kanagawaプロジェクト』の総決算として、「探究学習」を行います。探究学習は自らの関心からテーマを選択し、問題意識に合わせた問いを立てるところから始まります。書籍や文献、講演などを通してその問いをグループおよび個人で分析・研究をすることで、それぞれの問いに対して自分なりの提言を示し、発表の場では各々の考えを共有し互いに評価をしあいます。この活動を通して、社会と自分のつながりを認識し、進路や生き方を考える力を身につけることを目標としています。
探究学習のねらい
(1)「神奈川学園での学びの集大成」として「卒業論文」に取り組む
これまで経験してきた授業や総合学習、文化祭などの行事など、神奈川学園で得た学びの中から、「これまでの自分(経験)」と「これからの自分(進路)」をつなぐことのできるテーマを選び、徹底して掘り下げることを目指します。
(2)自分にとって「これは」と思える知識・情報を、五感を使って獲得し、自分の「生き方」を展望できる学びに取り組む
探究では、書物をはじめとした様々な文化と出会い、高校1年の国内FWで体験した現場に学ぶ手法や、当事者の言葉に学ぶ手法なども取り入れながら、どんな小さなことでもよいので「自分の考え」を創り出すことを目指します。探究学習では「考え」だけにとどめず、人間として「感じる心」や行動する「生活力」など「私の生き方」を切りひらくものにしたいと考えています。
(3)現実社会の中で自分の考えを形づくり、科学的な手法を用いて他者に伝えることで、より社会と他者に開かれた「自分の考え」となるよう鍛える
探究の時間を通して、責任と自覚や意見を持つことの大切さを体験します。また、自分の考えを客観的に証明するための科学的な手法を身につけ、説得力のある発表を行っていきます。
探究グループとテーマ 抜粋
グループ | 生徒レポートテーマ例 |
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異文化の比較と理解 | 『日本は多文化共生できるのか』 『日本の労働問題は海外で取り入れている政策で解決できるのか』 |
日本文化を探る | 『本は戦争をとめられるか』 『歴史的建造物は残すべきか』 |
日本人にとっての宗教 | 『現代の日本人はなぜ宗教について寛容か』 『これからのお寺』 |
自分/地域/世界をつなぐ歴史の探求 | 『首都とはどうあるべきか~首都から考える都市機能の充実~』 『スラムでの子どもの教育はどうあるべきか』 |
子どもの「貧困」について | 『なぜ里親制度・養子縁組が日本では充実しないのか』 『子供の貧困を引き起こす最大の原因は誰に 3つの立場から考える子供の貧困』 |
差別、公平な社会を考える | 『なぜ名門校を目指すのか』 『LGBTへの差別・偏見はどうしたらなくせるのか』 |
「昔話」に見る日本人の心性 | 『なぜ「ジブリ」は人の心をつかむのか』 『3匹のこぶた裁判(裁判の存在意義を考える)』 |
医療、福祉の観点から命の問題を考える | 『脳死・臓器移植は罪なのか』 『いのちは親の所有物か』 |
水から生命を考える | 『津波後の土壌は肥えて自然が豊かになるのか』 『水と宇宙の関係~生物は地球以外でも生きられるのか~』 |
女性として、働き方を考える | 『女性活躍社会での日本の欠点』 『セクシャルマイノリティが日本でより生きやすくなるためには』 |
「食」を考える | 『食の常識ってなんだ?』 『輸入によって地球は・・・』 |
スポーツ・身体文化を考える | 『現代社会の中でのダンスの必要性』 『日本から運動嫌いはいなくなるか』 |
ICTを使った新しい学習方法を考える | 『カラーユニバーサルデザインを普及させていくには』 『ICT教育を活用するためには』 |
訪問例
日本人にとっての宗教チーム
- 東京ジャーミーを訪問しました
自分/地域/世界をつなぐ歴史の探求チーム
- 後藤周氏に案内していただき、学校の周辺の関東大震災の足跡をたどりました
- 夏休みに個人のテーマに合わせた訪問活動を行いました。
- 暉峻僚三氏をたずねて川崎市平和館を訪問しました
- 模擬国連参加
- 川崎市平和館 暉峻僚三氏による出張授業(平和学で考える平和)をしていただきました
医療、福祉の観点から命の問題を考えるチーム
- 医師 長野由布氏の講演をいただきました 「尊厳死や臓器移植の問題について」
- 三ツ沢地域ケアプラザを訪問しました
水から生命を考えるチーム
- 東京都水道歴史館と東京都虹の下水道館を訪問しました
- 東京都市大学 萩谷宏氏の講演をいただきました
「食」を考えるチーム
- 港湾労働組合執行委員長 奥村芳明氏の講演をいただきました。「輸入食品の実態について」
ICTを使った新しい学習方法を考えるチーム
- DMM.make AKIBAと富士通テクノロジーホールを訪問しました